ライトノベル 銀盤カレイドスコープ Vol.7 レビュー

タイトル 銀盤カレイドスコープ vol.7 リリカル・プログラム
著者 海原零
イラスト 鈴平ひろ
出版 スーパーダッシュ
発売日 2006年6月


執筆者:jade 評価:
バンクーバー五輪を見据え、単身ロシアに乗り込んだ桜野タズサは、ガブリーとの秘密の約束、リアとのお泊りデートなど、嬉しいサプライズが続き、すっかりご機嫌。
リアを育てた有名コーチに師事して、狙うは世界の頂点だけ!
桜野タズサ伝説の章、ここに始動!

う〜ん、帯の謳い文句に胸を高鳴らせて読み始めたのですが、正直期待ハズレだったなぁ。
今回は最終巻の上巻という位置づけだったのですが、ストーリーを進めようとするあまり、肝心のスケーティング描写がほとんど描かれなかったのが物足りなさを感じた最大の要因。
やはりこの作品の最大の魅力はリアルなスケーティング描写ですからね。
海原氏は表現力は高いんだけど、ストーリーテラーとしてはそんなに優れているとは思えないだけに、真剣勝負の舞台が用意されていないと厳しいですね。
せめてタズサが出場したグランプリシリーズだけでも順位だけではなく詳細を描いて欲しかったね。

それから中盤のリアとタズサのお泊りデート。
ここで物語のテンポを損ねてしまったのも大きな減点材料。
後半で描かれるタズサの心の底に隠されたリアへの諦観に対する伏線のつもりで描いたのでしょうが、正直ここまでページを割く必要性を感じませんでした。
どう見てもリア×タズサの百合要素を付加させようとしているとしか思えないあざとさも鼻にかかりましたしね(苦笑

あとはリアへの気持ちに気付いてしまってから延々と続くタズサの自己嫌悪。
個人的にはこの部分が一番気に入らなかったですね。
や、この件で今まで持ってた桜野タズサ像を粉々にぶち壊されましたからね。正直かなりショックを受けました(苦笑
元々精神的に弱いところがある子だったから、そんな感情を持ってても不思議はないんだけど、ピートとの別れを糧に強くなったタズサに惹かれてたところがあるからなぁ…

以上のように物足りないところは多々あるのですが、心を揺さぶるセリフが随所に見られるなど、スポ根もの特有の熱さがそれらをカバー。トータルで考えれば何とか及第点ってところですね。
特に序盤で聖女ガブリーがタズサに漏らした本音には大興奮!
「勝ちたい……勝ちたいよ……一回でいいから……リアに勝ってみたいよね……」
熱い!熱いよガブリー!
ああ!スポーツものはこれだからたまらない!

銀カレもいよいよ次巻で最終巻。
果たしてタズサはリアに勝てるのか?
バンクーバーの舞台で最高の演技、最高の結末を見せてくれることを期待します。


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